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10日目

10 05, 2013 | 探索日誌

暗闇の中で炎の爆ぜるぱちぱちとした音だけが響いていた。
その傍らには白い円形のテントが張られている。
テントとは言えその中心には木の柱が立てられた頑丈なもので、室内は大人の男が大股で歩ける程度には広い。
室内は布で二つに分けられていて、その一方にマハは寝転んでいた。
既に四半刻ほどの間、仰向けのまま天井に片手をかざし、暗闇だというのにその手の甲を見つめていた。

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8日目

09 08, 2013 | 探索日誌

――それは、最近ではないけれど遠くもない記憶。



深々と降る雪は、既に踝が隠れるほど積もっていた。
今冬になって初めて降る雪は村の機能を麻痺させて、しかもそのせいで狩りに出ていた男達は帰村に手間取っている。
例年よりも大幅に早い冬の訪れに嘆息しながら、狩りに出た一行は夕闇迫る中で帰村を急いでいた。
一行の中には明らかな子供が幾人か混じっていたが、それは山猫族の常況だった。
山猫族は老若男女問わずして狩りに出るがその主力は男であり、その指導もまた男の役割だった。
それだから、今回の狩りもまだ慣れていない子供たちを連れている。
帰村に手間取っているのは、手際と足の速さも重なっているからかも知れなかった。

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7日目

09 03, 2013 | 探索日誌

――真新しい衣に袖を通した。
異国の衣は自身の国では考えられない形で、しかも意外に着こむものだから見た目ほど涼しくはない。
身体に妙にぴったりとするから走れないだろうし、戦闘には向かない。
それでも鏡に写った姿は、まぁ悪くはない、と思った。

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6日目

09 03, 2013 | 探索日誌

03.jpg

…別に、マハはまだこれから成長する余地があるだけだ。

5日目

08 24, 2013 | 探索日誌

「ご飯は僕が買ってくるよ~。」


そう兎が言ったのは何時だったか。
そしてその時自身は何と答えたのだったか。
今となっては全てが遅く、後悔先に立たずとはこの事だと考えながら、マハは迂闊な自身に腹が立った。


――事の発端は、今より四半刻ほど前のことだ。


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