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7日目

09 03, 2013 | 探索日誌

――真新しい衣に袖を通した。
異国の衣は自身の国では考えられない形で、しかも意外に着こむものだから見た目ほど涼しくはない。
身体に妙にぴったりとするから走れないだろうし、戦闘には向かない。
それでも鏡に写った姿は、まぁ悪くはない、と思った。

――祭りに来た。
村とは何もかもが違う祭り。
一体どこから湧いてきたのかと思うほどの人混みは賑々しく、屋台や露天には見たことのないものばかりが並んでいる。
祭りに限らなくとも普段から村にはないものが多いから、尚更何もかもが目新しい。
甘い衣がかかった飴、芋にバターを添えたもの、ソースの味しかしないあれやこれや。
玩具の鉄砲で的を狙うとか、紙で出来た匙のようなもので魚を掬うとか、糸の先の景品を引き当てられるかどうかとか。
無駄なことばかりで、でも村の祭りもそういうものだったから、どこか妙に懐かしい。

ふと立ち止まった店先に並ぶガラス細工はどれも見事で、これは村にはないものだった。
繊細な細工は戦闘を繰り返す自身には不釣合いで、実際触れたら壊れそうだから触れられなかった。
きっと、愛らしい、守ってあげたくなる少女には似合うのだろう。


――それから。


04_20130903140335f12.jpg


誰がここで見ようと言い出したのかは解らない。
連れ立って辿り着いたのは、星屑の小川だった。
星のように光る川。
周囲には蛍。
見上げれば星と、それから花火。
どん、と遠くで音がする度に耳がちりちりと痛むようだったけれど、どうしてだか気にならなかった。
そして不意に唸るような音が音がしたかと思えば、視界に海の光景が重なった。
大輪の花火が咲く天の川を魚が泳ぐなんて、誰に話せば信じてくれるだろう。
掴めそうな星空に思わず手を伸ばすと、蛍が指先を掠めて飛び去っていった。

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